山手線ぐるりフリーハグの冒険 vol.10 新橋駅

新橋でフリーハグ
うおぉぉっ……

時刻は平日の18時すぎ。スーツを着た人達の群衆に、ただ、ただ、圧倒される。

真っ黒で巨大なSLの前には、仕事を終えて新橋駅に向かう人たち、これから夜の街で飲むために待ち合わせをしている人たち、その両方を狙っているキャッチのお兄さま、お姉さま方達。

ここは、THE・サラリーマンの街、新橋。

フリーハグで山手線を一周しようと思ったとき、看板を掲げてみたい場所TOP3には入ったであろう、新橋駅のSL広場。ついに、この聖地で看板を掲げる日。

「こういう機会じゃないと着る機会がないよね」と思って、スーツとネクタイを締めて、いつもの看板を持って出動。

そもそも、人生においてスーツを着た回数が指で数えられるほどな僕にとって、気分的にはめちゃめちゃアウェイな場所。

銀座線の新橋駅の改札を出て、帰宅ラッシュを迎えているJRの新橋駅を西から東へ通り抜けて、SL広場まで歩いていく。

いつもの通り、駅のコインロッカーに荷物を預けたあとに、久しぶりに緊張を味わう。

広場には、待ち合わせをしている人たち、移動をするために横切る人たちがたくさんいて、横には交番もある。場所の構成としては、渋谷のハチ公前とかなり似ているのに、そこに行き交う人達の属性は全然違う。

緊張と共に看板を掲げないと何も始まらない。SL広場に行って看板を掲げるわけです。どんな土地であろうと、掲げる瞬間を乗り越えれば、あとはどうにでもなる。

立ち始めて数分。居酒屋さんのキャッチのお兄さんと目が合って、近づいてきてくれる。

「この場所よりも銀座側の出口の方が乗り換え客もたくさん通るから、いいかもしれませんよ。この時間帯は年配の方が多いですが、20時半を過ぎると、飲み終えた若い人たちが出てくるので、フリーハグもやりやすいと思います」と。

めっちゃ優しい!(笑)

基本的に、街に立つ側になると、様々な情報を教えてもらえることは、フリーハグをやるようになってからの発見。

それでも、今回はせっかく来たからSL広場に立ちたいなぁと思って、ここにだけ立ち続けることを選ぶ。

ハグを交わしたのは、12人。1人だけ外国人女性がいたけれど、あとは全員日本人だった。日本人比率で見たら、新橋はNo.1の駅となった。

恐らくこれから飲みに行くであろうサラリーマングループの1人が移動中に来てくれれる。仕事帰りであろう女性3人組みがわざわざ改札の方から引き返して来てくれたる。

「すいません。写真を撮ってください」と後ろから声をかけられる。振り向くと、そこにはスーツを着ている男性二人。話を聞くと、二人はご兄弟で数年ぶりに再会したのだという。「それじゃあ、記念にハグをしましょう」という曖昧な理由で、二人と順番にハグ。楽しんできてくださいね、と二人に声をかける。

後ろから肩をとんとんと叩かれる。振り向くと、無言でぎゅーっとハグをしてくれる女性。会社の後輩であろう男性が後ろにいて、手を広げると、その男性も戸惑いながらも来てくれる。ハグを交わしてから「フリーハグってこういうことだったんですね」と男性が一言。

結局、僕は何をやろうとしているんだろう?

どこにいってもハグをしてくれる人はいるし、どこにいっても気にかけて声をかけてくれる人もいるし、やっぱり街中には、温かい人がたくさんいることを確認し続けている。

雑踏の中、ハグをしてくれる人がいれば、心は暖まる。誰も来てくれなかったら、淋しさを感じる。結局、人に支えられて生きているんだよなぁと実感する。

ハグをしたときに、じわぁ~っと心が温かくなるのを何度も経験している。普段から、相手の心を温められるような態度で人に接したいし、言葉をかけ続けたいなぁという気持ちも強くなる。

“温かさ”は、すぐ目の前に存在している。温かさに対して、心を閉じるのも、心を開くのも自分次第だ。

なにはともあれ、フリーハグの看板を掲げてみたかったSL広場の帰宅ラッシュの時間に看板を掲げることができた。

初めての場所で1人で看板を掲げられれば、フリーハグ体験ツアーでも、この土地に人を導くことができる。人と一緒に立つとしたら、心理的にも余裕が増すし、あとは怖いものはない♪

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