看板を掲げるからこそ、エネルギーが動き出す
看板を掲げる瞬間は、世の中に自分の意図を放つ瞬間だ。
例えば、「私はコーチです」「私はマッサージ師です」「私はセラピストです」など。今まで名乗っていなかった肩書きを、宣言する瞬間は、エネルギーがいる。
新しいことをやり始める前は、そもそもこれからやることに対して自信を持てなかったり、今まで自分を知っている人達にどう思われるかが気になってしまったりする。そこを乗り越えて、宣言するからこそ、今まで滞っていたエネルギーが動き出す。
FREE HUGSも一緒。FREE HUGSの文字を表に出して、駅前で看板を掲げる瞬間は、エネルギーがいる。
不特定多数の人から注目されることを受け入れる必要があるし、注目にはポジティブなものも、ネガティブなものもあるから、両方を受け入れる心の土台も必要になる。
……まぁ、こんなに難しく考えずに、楽しそうだったら飛び込んでみればいいんだけど(笑)
看板を掲げずにいた方が、場になんの影響も与えなくて済むから、らくちん。けれども、そこを乗り越えて、看板を掲げてみるからこそ、初めて場に変化を起こせる。
突然、駅前でFREE HUGSの看板を掲げる。これといったフォーカスがなかった空間に、看板を持って立っている人が現れ、そこにフォーカスが集まる。
すると、その瞬間は、いろんな人から注目を浴びやすいので、既にその場にいた誰かが反応してくれることが多い。
新大久保でも、看板を掲げはじめて1分ぐらいで、20代の日本人男性とハグを交わすことになる。
自ら意図を放って、現実が目の前に現れた瞬間は、たまらない。思わず、「今日初めて来てくれた人です。どうもありがとう」と口から言葉が出る。
ハグの仕方ひとつでも、様々な個性に触れられる
17駅目となった新大久保駅。コリアンタウンのおかげか、やはりアジア系の人達が多く歩いている。最近は多国籍のお店も増えてきて、純粋なコリアンタウンではなくなってきているみたいだけれども。
目白駅に引き続き、新大久保駅も改札はひとつ。目白駅よりはだいぶこぢんまりとした印象。立った場所は、改札口の真ん前。駅前の歩道も狭いので、待ち合わせしている人達の群れから、わずか5mぐらいの距離で、ずっと看板を掲げている状態。
日曜日の午前中に90分間看板を掲げ続けて、結果、12人とハグを交わす。
特に印象的だったのは、ベビーカーを押していたスペイン人の男性。Tシャツの上に羽織っていたボタン開きのシャツの片側を、マントのように手で広げながら、爽やかな笑顔で近寄ってきてくれる。
まるで胸元に包んでくれるかのようなハグを交わす。懐をオープンに近寄ってきてくれるって、こういうことなんだろうなぁ。
他にも、6人組の外国人男性が歩いてきて、順番にハグを交わす。グループでいる人達は、順番にハグをしてくれることもあれば、全員と同時にスクラムを組むかのようなハグを交わすこともある。「俺たち仲間だよな」みたいなノリも、なかなかに楽しい。
ハグの仕方も、国によって、人によって、本当に様々。実際に触れあえることで自分の経験値がどんどん増えていく。
フリーハグは、なんとも贅沢なこの指とまれ!
1人の青年とハグを交わした直後。「すみません。この辺に充電できるお店ってありませんか?」と聞いてきてくれる。
辺りを見回してから「マクドナルドがあるから、充電できる席もあるかもしれないよ」と。
話を聞くと、香川から出てきて3日間だけ東京に滞在しているという。「うちの社長に、東京に行って、色んな人と写真を撮ってこいと指令をもらっているので、一緒に写真を撮ってもらえませんか?」と。
なに、その楽しそうなミッション!と僕の心は弾み、一緒に写真を撮ってから、しばし話しこむ。
僕がFREE HUGSの看板を掲げはじめて、面白いなぁと感じたこと。それは、同じような感性を持っている人達に、たくさん出会えること。
まさに、“この指とまれ!”状態。しかも、とまる方法は“HUGS”。なんとも贅沢なこの指とまれなのだ(笑)
FREE HUGSの看板を持っている人に近づいてくる人達は、FREE HUGSの動画を見て感動した人、ずっと気になっていたからハグして見たかった人、何か新しい体験をしてみたい人、街中での出会いにアンテナを張っている人、罰ゲームに負けて素直に実行できる人(笑)などなど。
結局、どこかしら似たような感性を持っている。そうじゃないと、そもそも街中でフリーハグをしている人がいても、存在自体をスルーしてしまう。目にとまることもない。
街中でのフリーハグがキッカケで、SNSでつながった方の中にも、何度もお茶を飲みに行ったり、話が盛りあがったり、そこから新しい関係性に発展している人も存在する。
もちろん99%の人達は、そのときだけの一期一会の関係で、それはそれで素敵な出会い。かなり限られた人達の話ではあるんだけれども、次は街中でどんな出会いがあるのか、日々ワクワクしていられる。
自分の肩書きを名乗ること、自分が好きなものを発信すること。それは、世の中に対して看板を掲げて、同じような感性を持っている人を集めることにつながる。
あなたはどんな自分を名乗りたいですか?どんな人達に集まってきて欲しいですか?
そんなことを感じた新大久保駅でのフリーハグ体験でした♪
おまけ:
新大久保は優秀なカメラマンさんが来られない日だったので、冒頭の写真は、フリーハグの終了時に、韓国料理屋さんのキャッチのお兄さんに撮影してもらったもの。色んな方に支えてもらって、この活動が成り立っております!(^^)