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美容室のビラ配りと街頭インタビューに挟まれる、大塚
平日の午前中。大塚駅北口で1人フリーハグをする男。大塚駅開業以来、初めての出来事だとしたら嬉しい。でも、過去、誰かしらやっているんだろうなぁ〜。
大塚駅北口には、広場のようなスペースが広がっている。人通りはまばら。それでも、駅前という人の集まる場所で、不特定多数の人にアプローチしたい人はたくさんいるみたい。
駅を利用する人、駅から出てきた人が歩くラインは、ほぼ決まっている。美容室のビラ配り、フリーハグの人、街頭アンケートをお願いする人が、人の流れに沿ってに並んでいる。
駅を利用する人は、この人達をくぐり抜けないといけない(笑)
人通りはそれほど多くないので、駅前を歩く人達の需要よりも、明らかに供給が上回っている感がある。
受け取ってくれた人を追いかける美容室のビラ配り
大塚駅で1番印象的だったこと。それは、ハグではなく、美容室のビラ配りのお兄さんの行動だった。
美容師さんがビラを配っていた。受け取ってくれた人がいたら、必ずその人をぴったりマークして、そのまま追いかけるんだよね。「お考えですか?」と聞きながら。
まさか受け取った側は追いかけてくるとは思っていない。驚きながらも反応をしていたり、話を切るタイミングを探していたり、反応は様々。
ビラを受け取って、短い会話に発展していた人は5人ぐらいだった。それでも、数分間の会話をしてから「じゃあ、これから切りにいくかなぁ」と口に出す男性が出現!
その瞬間、僕は「い、いくんかいっ!」と、思わず心の中でツッコミを入れる。
無意識で「ビラを受け取った人を追いかけるなんて、迷惑でしかない」と決めつけていたんだよね。なので、目の前で起こった出来事に、思いっきり信念を打ち砕いてもらったのであった(笑)
でも、普段からビラを配っている美容師さんの目線で見ると「大塚駅でフリーハグをする人なんているかよっ!」と思っていたかもしれない。それでも、フリーハグのおじさんにハグをしに来る人がいるもんだから、同じように「いるんかいっ!」ってツッコミを入れてるかもしれないのだ。
やはり、何事も自分でやってみないと分からないってこと。決めつけてしまったら、それ以上、自分の内的な世界が広がっていくことはない。
周りで何かを別なことをやっている人の観察も、心の枠を広げてくれる。今まで堂々と観察する機会なんてなかった。街中はやはり面白い。
90分間立てば、5人とハグを交わせる法則
14駅目となった大塚駅。いつも通り90分間立ち続ける。ハグしてくれた人数は、5人。90分間立つと、5人とハグを交わせる法則が、平日午前中の大塚駅でも実証。
「おまえ、こんなところでやっているのか」という感じで笑いながら近づいてきて、ハグを交わした外国人男性。「海外によく行くんで抵抗がないんです」とハグしたあとに伝えてくれた日本人の青年。
遠くから一直線に近づいて来てくれて「がんばってください」とハグを交わしてくれる日本人女性。その様子が目に入って、当たり前のようにハグをしに来てくれるアジア系の男性。
10m離れたところを歩いている人と目が合う。僕から手を広げると、相手は一瞬躊躇して、立ち止まる。その直後に、進行方向を変えてハグしに来てくれる日本人男性。
最初は、ハグをしに行こうと思っていない人でも、僕から来て欲しいとアピールをすることで、反応をもらえる。無条件にお互いが笑顔になれちゃう、特に心が温かくなる瞬間。
心をオープンにして、周りの人に歩み寄れているか
僕にとって“フリーハグ”は、日常のコミュニケーションの延長。日頃から、心をオープンにして周りの人達に歩み寄れているのだろうか、と考えるキッカケをもらえる。
「この人は反応を返してくれないだろう」「コイツに伝えてもムダだろう」「どうせ分かってもらえない」
日常の中で、こんなささやきが自分の中で聞こえてくるときがある。
このときに僕が大切にしたいこと。それは、この声は自分の内側で勝手に起こっている反応にすぎないことに気づくこと。
その幻想の声に騙されずに、“本当はどんな行動を自分が取りたいのか”、“本当は相手とどんな関係性になりたいのか”を探ってみること。
もちろん全員に受け入れてもらうなんてことは無理だけど、自分から相手に働きかけたときに、目の前の現実は確実に変わっていく。
看板を掲げることで目の前の現実が変わっていくことは、フリーハグを通して何度も教わっている。
さらに、自分から働きかけることで、思ってもいない結果が出ることは、先ほどの美容室のビラ配りのお兄さんからも学んでしまった。
あなたがどこかで決めつけてしまっている現状は、あなたが踏み出すほんの小さな一歩で、大きく変わるかもしれない。そんなことを感じた大塚駅でのフリーハグでした♪