「Hello! My friend!」と伝えられて、ハグを交わす。
来てくれたのは、日本の男子高校生3人組。英語が使いたくなるのだろうか(笑
午前中、田端駅でハグ0人を体験。その日の夕方にチャレンジしたお隣の駒込駅。当初は、もしかしたら誰も来てくれないんじゃないかと、弱気なスタートだったので、彼らに元気をもらう。
駒込って、こんなに学生さんの多い町だったのねー!と、驚きでした。
立った場所は、東京メトロ南北線の入口がある、南口付近。近くには、女子大、女子高、男子高があり、小中学校もたくさんある。女子校率が高いからか、駅に向かう学生さんも女子が7割ぐらい。
目の前を通り過ぎる多くのグループは、奇異な目で見たり、そもそも視界にも入らなかったりする。それでも、10人以上の学生さんに「フリーハグってなんですか?」「モニタリングですか?」などと話しかけられる。
「ハグしたいっ!」と言って、1人の女の子がハグをしてくれると、「わたしも!」「わたしも!」と、同じグループの子たちがハグをしに来てくれる。
1人が「写真を撮りたいっ!」と言って、写真を撮ると、「わたしも!」「わたしも!」と、同じグループの子たちと写真を撮ることになる。
なるほど。学校帰りの女子高生でも、最寄り駅で、見知らぬフリーハグおじさんとハグをするのかと。これは、今まで知らなかった世界だったので、飛び込んでみて本当に勉強になった(笑)
どんなことでも、やる前に勝手に判断して、やった気になっちゃいかんなぁと、しみじみ思う。山手線フリーハグ企画は、僕が今まで無意識に作っていた思い込みが、ドミノのように次々と崩されていく。
他にも、ハグを交わした中国人の女の子が「16時頃のもっと早い時間帯の方が学生さんがたくさんいますよ~」と教えてくれる。優しい人ってたくさんいるんだなぁ。
近くのベンチに座って、ずっと見学していた冒頭の男子高校生たちは「今度、女子校の前でこれをやろうぜ!」と盛り上がっている。
確かに、高校時代だったら、女子校の前でフリーハグの看板を掲げたら、間違いなく学校のHEROになれたんだろうなぁ(笑)
補助輪つきの可愛い自転車に乗っていた4~5歳の男の子が、横断歩道の赤信号を待っている間に、わざわざ自転車を降り、お母さんの元を離れ、てくてくと歩きながらハグをしに来てくれる。
「なんと温かいんだ」と思った瞬間に、男の子が素早く方向転換。かぶっていたヘルメットが、アッパーのように僕の顎にクリーンヒットする。
ああ。。。こうやって、“ふと笑みがこぼれちゃう幸せな瞬間の写真”を、心の中にどんどん蓄えているんだなぁって、夕暮れどきの駒込駅で感じてた。
看板を持って立った場所には、幸せのアンカリング(感情と場所の結びつけ)が自然と起こっちゃう。
例えば、僕にとって、渋谷ハチ公前は、昔はただのゴミゴミした場所でしかなく、足早に通り過ぎたいスポットだった。
それが、今では、たくさんの友人と共にフリーハグにチャレンジした場所であり、たくさんの一期一会の多国籍な人達と笑顔でコミュニケーションを交わした場所。
だから、ただそこにいるだけで、心の状態が良くなってしまうパワースポット。
色んな場所に看板を持って立ったおかげで、そんな場所がどんどん増えている。僕にとっては、ただの山手線の駅ではなく、それぞれに駅の前に、ピンポイントでいろんな思い出がアンカリングされている。
今でも、ハグを交わしてた人に対して「ハグしに来てくれちゃうんだ!」っていうアンビリーバボーな気持ちがあるし、当たり前にはしたくない。
だって、街中で知らない人同士がお互いに笑顔でハグできるなんて、味わえない経験だから。少なくとも、僕が生きてきた過去32年間の人生においては、確実に味わえない経験だった。
見ているだけで、満足してもらえたのだろう。見学していた男子高校生たちは、「僕ら帰りますね。Thank you! Friend!」と、お別れのハグをしに来てくれた。
数十分だけ交錯することができた人生。彼らの中にはどんな体験として残るんだろう?