山手線ぐるりフリーハグの冒険 vol.16 目白駅

目白駅でフリーハグの開始

フリーハグをするときの、マイルール

「めっちゃいい匂いがする!あったかい!」

仲間とのジャンケンに敗れて、ハグを交わしに来た男子中学生が、こう叫ぶ。

フリーハグの開始時間に遅れそうで急いだ結果、暑くて体温が上がっているだけなんだけど、あったかいと表現してもらえるのは、ありがたい(笑)

仲間のところに戻ってからも、「いい匂いがするからやってみて!」と伝えている。

その言葉を聞いた男子中学生3人に同時にハグをされる。結局、8人全員がハグをしに来て、口を揃えて、「本当だ!いい香りがするっ!」と叫んでいる。

……良かった、軽い香水を付けておいて、と心の中で思う。

僕がフリーハグをするとき、マイルールとして『テンションの上がる格好でやること』『香りに気をつけること』がある。

Tシャツとジーンズ姿で、ダンボールにマッキーで書いたFREE HUGSの看板でもいいよ。でも、僕の美学的に嫌だし、何よりも気持ちがのらない。だから気持ちが上がる服装を選び、看板を作って立っている。

それに、僕がやっていることは、“フリーハグ”という、既に世の中に存在していてるフォーマットに乗って表現しているだけ。

「フリーハグをしてみたけど、超汗臭かった…」という噂が広まって、ネガティブなイメージを持たれることは極力避けたい。フリーハグをこれからやろうとしている人達、既にやっている人達に失礼な展開になってしまう。だから、香りにも気を使いたいと思うワケ。

その後、「あ!美術の先生だ!」「先生、ハグやってみて!」と中学生達がはしゃぎ出す。美術の先生は柔らかい笑みを浮かべると、改札の中に吸い込まれていったのであった。

目白駅のフリーハグで注意

駅員さんに注意される33歳のフリーハグ男

それにしても、16駅目の目白駅は、大興奮!

山手線フリーハグ企画で楽しかった駅、ベスト3には入るだろう。人通りも多く、街中の年齢層も若くて、90分間で29人とハグを交わした。

僕の中には“フィーバー”という単語が降ってきたほど(笑)

山手線の駅では珍しく、改札口は1つだけ。平日の帰宅ラッシュの時間帯。左右から歩いてきた人達の流れが、改札口の前でひとつに合流する。

看板を掲げてる以上、人の流れの中に入らないと意味がない(と、勝手に思っている)。当然、前進する。すると、どんどん駅の改札口付近に近づく。

興奮しすぎて、改札近くまで寄りすぎてたら、突然、腕でバツ印を作りながら「駅前はダメっ!」という人が近づいてくる。

上野駅以来、14駅ぶりに駅員さんに注意された。33歳にもなって駅員さんに注意されるって、我ながらアホだなぁと(笑)

でもね。各駅によって、どこまでが駅が管轄しているエリアなのかが違う。グレーゾーンもあるだろう。ぶっちゃけ、立ってみないと分からない世界。

目白駅は駅前に大きな広場があって、そのエリアも駅の管轄だそう。「花壇を越えた向こう側なら大丈夫だよ」と優しい駅員さんに教えてもらう。

左右から改札を目指してやってくる人達の中に巻き込まれて遊べるチャンスは、もうない。残念だけど、1時間以上の貴重な経験ができたことに感謝だ。

僕は、今ですらこんな企画を実行しているけど、本来は、“人になにか言われるかもしれないから、行動しない”という選択肢を30年間選び続けていた人間。

“何か言われてから改善すればいいから、思い切って行動してみる”
“何か言ってもらえることは、コミュニケーションのきっかけになる”

こんな信念を心の中に植え付けることができたのは、僕の歴史において革命に近い出来事なのだ。

この革命のおかげで、日々とても楽しくなったし、とても生きやすくなった。

目白駅のフリーハグで写真を撮ってもらう

看板を見て、ハグをしにくる人こそ、勇気が要る

目白駅のすぐ裏は、学習院、川村学園があり、目白は学生さんがとっても多い街。

冒頭のような男子中学生のグループも多くて、中学生ってこんなに素直に反応できちゃうんだなぁ〜って、感動しちゃう。

“行ってみよう!”って感覚にすぐつながれちゃうし、ジャンケンをしたら必ずやってくるし、変にすれて冷めた目線で観てくることも少ない。

1度溢れ出た“興味”に対して、素直に動けること。これって大切なことだよなぁ〜と、彼らを見てて思えた。

人混みの中、目が合った1人の大学生の女の子。手を広げると、真っ赤になりながらも、進行方向を変えてハグをしに来てくれる。

花壇の後ろ側に移動してからも、「面白いことやっているね〜」と伝えてくれて、手を差し出して握手をしてくるお姉さんに出会える。

看板を掲げることは、まず僕が勇気を出すことでもあるし、他の人が勇気を使う機会を提供することにもつながる。

全く興味を持たずに素通りしていく人もいれば、心の中の何かが動かされてしまって「行ってみたい!」という気持ちに葛藤する人もいる。

だからこそ、勇気を出して飛び込んで来てくれる人に出逢えると、心底感動する。生きてて良かった、って感じちゃう。

勇気を出して行動したことは、その人の心の中にずっと残る。

目白駅のフリーハグで聞かれた質問

「ハグして何になるんですか?」に対して、僕のこたえ

終盤、1人のおばさまが眼鏡に触れながら近づいてくる。「これは何をやっているんですか?」「なんのために活動しているんですか?」と、警戒心を示しながら矢継ぎ早に質問をしてくる。

トドメは「ハグして何になるんですか?」と。

だよね。それが気になるよね。“何になるか”を考えるのも大切だもんね。

僕は頭で考えすぎる前に、自分の心に湧いてきた衝動を大切に、素直に動ける人でいたい。それを自分の全身を使って表現している。

この質問に対する、僕の回答はこれ。

「ハグしてみたら分かるんじゃないですか?(びっぐすまいる)」と。

だってね。いくら言葉で伝えても、やってみないと分からないんだ。飛び込んだ先にあなた自身が感じたことが、あなたにとっての真実になるんだ。

僕も人からもらった回答じゃ納得いかないんだ。だから僕は飛び込んでいく。

「いやいや、私は結構なんですけど!」と後ずさりしながら離れていった、おばさま。僕じゃなくていいから、誰か大切な人にハグをしてくれていたら嬉しいなぁ。

目白駅フリーハグの終了

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