山手線ぐるりフリーハグの冒険 vol.09 神田駅

神田駅でフリーハグ
「銀座線はどこですか?」と7人が聞いてくる。次々と「マンダリンホテルはどこですか?」「まいばすけっと(イオン系のスーパー)はどこですか?」と聞かれる。

まるで道案内の看板を掲げているかのよう。ハグのご利用よりも、道案内のご利用が圧倒的に多かった9駅目の神田駅。

さすがに、まいばすけっとの場所を聞かれたときには、「し、しらねーよ!」と心の中の悪魔がつっこんだ。

でも「これはチャンスですよ!」と天使が登場。反射的に「1分間もらえますか?そうしたらスマホで調べますよ~」と答えながら、1分間でフリーハグの説明をしながら(←つまり、これがやりたい 笑)検索をして、まいばすけっとまでの道順をご案内。

なんと、この方は、ちょうど今、神田に引越をしてきて、家の近くのまいばすけっとで引っ越し屋さんと落ち合うそう。

記念にハグをしてお別れ…と行きたいところだが、きちんと抵抗を示してもらいました。

……寂しくないもん!感じていることをしっかり表現してくれる人、好きだもん!(笑)

神田駅を歩いてる人は、サラリーマンが80%ぐらいなんだけれど、外国人もいたり、学校行事で都内に来ているであろう中高生グループも、たまに通る。

こうやって、様々な駅の前に立つ事なんて、今までなかったこと。駅ごと、時間帯ごとに、ひと味違った層の人達を観察できることも、この企画の楽しさのひとつ。

東京駅寄りの南改札を出たところで、90分間掲げてみて、ハグをしに来てくれた人は5人。どこの駅前でも、看板を持って立っていると、5人はハグをしてくれるらしい。これはこの企画で9駅立ってみた中で判明したこと。

僕自身の変化として、山手線企画の6駅目、代々木駅あたりから、どこで看板を持って立っていても、緊張しなくなったきた。

いろんな駅で立っていると、もはや“渋谷ハチ公前でフリーハグができない”という感覚が分からなくなってくる。ハグをしてくれる数だけを見たら、改めて、渋谷・原宿は、天国のような場所だと実感する。

何事もそうだと思うけど、できるようになってしまうと、できなかった頃の感覚が薄れてきて分からなくなってしまう。

もちろん今年1月に初めて渋谷で看板を掲げて立つまでは、“フリーハグをできる”という感覚が逆に分からなかったんだけど(笑)

フリーハグを知ってから4年以上は、立つ覚悟は決められなかったわけだし、未体験のときのハードルはものすごく高かった。

それでも、えいっ!と勇気を出してやってみた。抵抗はあったけれども、その先にきっと何かが待っている予感がしていた。心の中に何年も出てくる未完了項目を、しっかり完了させてぺージをめくってみたいという想いもあった。

つくづく、何事もやってみないと分からない、と思う。やってみた先に、“山手線を1周して全駅でフリーハグをしてみる”というアクションが出てきたことを、何よりも僕自身が楽しめている。

神田駅でのフリーハグの終了間際。僕の背後から横を通るとき、振り返ってくれて、ハグを交わした日本人の叔母さまが言葉がけをしてくれる。

「海外で見かけることがあったので、神田にも現れてくれて嬉しいです」と。

えいっ!と飛び込んだ先には、いろんな反応が溢れている。嬉しさで溢れることも寂しさで溢れることもあるかもしれない。

その時に大切なことは、どんな反応を積極的に拾って、自分のエネルギーとして蓄えていくか、心を満たしてあげるか。それは、すべて自由に選ぶことができる。

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